投稿日:2008-11-14 Fri
「東村山市議会を考える市民の会」が出した2つの請願のうちの1つ東村山市議会・議会運営委員会による三重県伊賀市視察結果の『市民報告会』開催を求める請願は、結論を先に言ってしまえば、2008年8月19日の議会運営委員会で不採択となった。しかし、2008年6月23日の議会運営委員会では請願審査の後、各委員が視察の感想を述べている。個々の委員が今回の視察で何を感じ取ったのか、その発言内容を今回は紹介する。“仮想市民報告会”として読んでみるといいかもしれない――。
○清沢謙治委員 伊賀市の視察についての感想といいますか、私なりの意見というものを述べさせていただきたいと思います。昨年8月の栗山町に続いての、議会基本条例に関しての視察だったわけです。この議会基本条例の特徴としては、議会報告会ですとか、政策討論会ですとか、反問権、賛否の公表等、大変参考になる、我が市としても大変見習わなければならない内容があったと思います。
その中で、私が特に感心したのは、この議会基本条例制定の過程で、市民の皆さんと対話する姿勢が徹底していたなというのが、大変印象に残りました。この議会基本条例制定までの経緯の中で、2006年5月に議会のあり方検討委員会が設置されたわけなんですけれども、そのすぐ後、2006年6月から8月にかけて、市民の皆さんと徹底的な意見交換会を行っているんですね。これは団体の数を聞いて驚いたんですけれども、83団体との意見交換会を行っているということでした。83団体と意見交換を行うというのが、どんなものなのか、想像もできないような状況だと思うんですけれども、もう少し詳しく、私なりに調べてみましたら、議会のほうで伊賀市の100団体の役員に、意見交換会のお願いを議会のほうから提案したそうです。そして、83団体の役員から理解をいただいて、その中には住民自治協議会、自治会をグレードアアップしたようなものですけれども、その住民自治協議会の38団体でしたか、そういった方々も含めて、大変多くの団体と議論している。しかも、もう少し詳しく見てみますと、これを3カ月でやるということですから、中には1会場2時間の時間をかけて、それを朝、昼、晩と繰り返したといった内容までありまして、これは市民と徹底的に向き合うというか、対話するという姿勢は本当に見習わなければならないなと感じました。今、先ほどの請願の審査の中でも申し上げましたけれども、議会に対する風当たりが強い、批判が強い中で、そういった批判の声もたくさん出たということなんですけれども、それでも、そういった批判から逃げずに、徹底的に向き合って対話するというところは、ぜひ見習わなければならないと考えています。
○島崎よう子委員 今の清沢委員の流れの続きで報告したいと思います。私も今、清沢委員が述べたところがカギだなと実感してきたわけです。伊賀市議会に視察に行った後、違うシンポジウムのところで、この伊賀市が、市議会のあり方検討委員会というのを設けたようですけれども、そこの会長を務められた方のお話を聞く機会に恵まれまして、今、清沢委員が述べたようなことも、私も承知をしたわけなんです。そういったいきさつが、結局、いざ条例制定に向かうときに、大きな力を発揮したということがよくわかりました。3カ月をかけて、意見交換会をしました。56会場で3カ月回ったということですから、1カ月に19会場もいらしているんですね。どんな声が上がったかというところでは、私たちもよく聞きそうな言葉ですけれども、議員が普段何をしているかわからない。あるいは、傍聴にいらした方は、質問と答弁だけで終わっていて、成果がないじゃないかという厳しい声もあったようですよ。そういった声に真摯に耳を傾けて、大変優秀な市民がたくさんいらっしゃるということ、優秀な市民だと受けとめられたというところもすごいなと思います。
その後も、さらに11月には、市内6カ所、議会のタウンミーティングをしながら、さらに意見をもらい、パブリックコメントも募集して、また意見をもらい、そこでも回答していくということをして、それから11月25日、原案をつくって、議長に答申をするわけですが。そして、全会派一致で議員提案を迎えようとしていたときに、中身の議論が不十分、時期尚早ということで異論が出されて、議長が全会派一致で成立させたいといったことが大変難しくなってきたというあたりのときに、早く制定をしなさいと言ったのが、市民から大勢の声が押し寄せてきて、その世論が後押しになったというところが、最初の意見交換会をしたというところで、市民の中に議会を変えてほしい、変わらなければだめなんだということをつくっていった、すごい力だったんだろうなと思いました。
それと、条例の具体的な取り組みのところで、とても現実的路線があるなと思ったわけですけれども、なかなか議論をする議会を目指していこうと、うちの市議会でも努力していますが、なかなか難しい。そういった中で、議会基本条例が制定できた伊賀市議会であってもできない。そういったときに、表舞台ではないところで、政策討論会というのをつくり上げているんですね。
政策討論会は、議員たちがこのテーマについて、議員たちで意見交換会をして、政策をつくっていこうという趣旨なんですが、議事録をとるといろいろ差し支えもあるしということで、議事録をとらないでとか、今、言いましたように、テーマも議員同士で決めていくとか、議員が動きやすいようにというところが、非常に生々しいことが多い議会ですけれども、現実路線をつくっていこうという努力が非常に感じられたことでした。その政策討論会というのも、既に4回やったということでしたけれども、具体的な再開発のこととか、庁舎建設の場所をどこにするかとか、あるいは幼稚園、保育園の統・廃合問題のところでは、そのディベートをやっていく途中で、自分たちで政策の一致点を見出していったなんてお話を伺えて、大変希望の持てる話だったなと思います。
その中にもう一つあったのが、出前講座というものでした。先ほどの請願審査の中にも出ておりましたけれども、市民から常任委員会に要請があった場合、委員会の中で合意がとれれば、委員が市民の要請のあった団体に出向いて行って、懇談会とか、説明会をやっているというお話がありました。既に自治協議会というところから要請があって、総務委員会、そこに出向いて行ったとか、商工会からの要請で、産業経済委員会が出向いて行ったよなんて報告もありました。
ただ一つ、残念だったのが、伊賀市は忍者のまちということで、忍者議会をするというお話で、私たちが視察に行った日には、その忍者議会の準備をなさっていた日だということで、議員にお会いできなかったのが大変残念でした。ですから、議会基本条例を設けたこと、あるいは、今申し上げましたように出前講座だとか、議会報告会とか、政策懇談会、そういったことで、何がどんなふうに変わったのかという直接の生の声を聞けなかったのが大変残念でした。議会事務局長が対応してくださって、議員が勉強するようになったそうですよなんてことを一言お聞きしたことでした。
○木内徹委員 伊賀市に行きまして、私はこの説明を聞き、そしてまた条例を読んで、一番驚いたところは、議会基本条例の第8条の第4項ですけれども、議会は議員が行う市長等への口頭による要請に対して、両者の関係の透明性を図るため、日時、要請内容、対応、及び経過等を記録した文書を作成するよう市長に求めるものとする。
これはいわゆる議員の口きき等々によるものを防止する、その意味では透明性を図る条項が入っていました。栗山町はこの条項は入っていなかったんですよ。今回、これを見て、すごい画期的なものだと思いました。と申しますのは、議員の、あるいは行政に対するいろいろな要望、あるいは陳情というのは、もちろん正当な話の要求だとか、そういうこともあるでしょうけれども、また、その意味では一個人の利益を代表して、口ききを図る。そういう場合もあると思いますので、その意味では、いわゆる議員からの市長等に対する口頭等での要請については、ちゃんとはっきり日時、内容等について、文書として記録を残す。これは情報公開条例で言うなら対象になりますから、その意味じゃ、議員からの不当な口きき等々に対しては、抑止力になるんではないかなと思いました。
それから、第8条第2項、いわゆる議員への反問権、これについて言うなら、北海道の栗山町も反問権を付していましたけれども、自分も含めて自戒があるんですけれども、いわゆる議員がいろいろとほかの人の質問を聞いてても、ちょっと内容がわからない。一体何を言いたいのかわからないような議会、委員会というのも、あるいは委員の発言もありますし、それから政策的にいろいろと対立したときに、一体、理事者、ないしは管理職のほうから議員に対して、こういう場合もありますけれども、議員の皆様、どういうふうにそこを解釈して、あるいは理解をしてそういう御質問をなさっているんでしょうかとか、その意味では議員への反問権というのは、これは私ども、議会基本条例をつくる際には、ぜひとも入れておきたい、こういう印象を持ちました。この2点が印象に残りました。
○伊藤真一委員 私、一番印象に残ったのは、政策討論会でした。こういう形の議論というのが、我が街に一番必要なんじゃないかなと思います。例えば今日の委員会においても、いろいろ活発な議論ができたと思いますけれども、もっと本音の部分とか、あるいは会派を超えて、個人としてこう考えるみたいなところが、いわゆる議事録などに縛られないで、もっともっと議会の中で、こういう討論できる場所が、我がまちにも必要かなと思いまして、伊賀市のやっていらっしゃることは非常に参考になるなと思いました。
反問権については、ルールとしては制定されているけれども、実際にこれが使われているのは、報告にもありますけれども、質問の内容が不明確でわからないということではありましたけれども、もっと市長と議会が、いい意味で緊張感を持って議論を練り上げていく上において、まだ伊賀市のほうでもケースとしては少なかったようですけれども、今後は出てくるのかもしれませんけれども、市長から、「それでは議員、あなたはどう考えますか」という本来の意味での反問権というものが行使されていくのはまだ先なのかな。いずれにしても、将来の我がまちにおいても、そういったものも入ってこなければいけないのかなと思いました。
議会報告会については、先ほども言いましたけれども、これを実際にやろうとなると、それぞれ会派や各議員の思いがそれぞれ出てくるという状況の中で、各地域において、意見集約されたものをどうやって伝えていくのか、これについては、伊賀市も苦労されているんだなということを印象として持ちました。
○島田久仁委員 私も栗山町と伊賀市と、2つ視察させていただいて、共通しているという部分と、全く違うなという部分があったのは確かなんですが、伊賀において議会基本条例制定までの経緯ということで、発端が議長選挙に立候補された女性議員の方が議長に選ばれて、そのときに公約として、議会基本条例の制定を掲げていたということで、栗山町においても、議長の強力なリーダーシップがあったかなという、そこが発端としてというのと、また議長が、栗山町はもともと考えられて引っ張っていたというのとは違うかもしれないんですけれども、議長みずからがこのことに対して大きな問題意識を持って、実現への強い意思を持って当たられたんだなということを特に感じました。そして、伊賀については、必ずしも議会の中で、先ほども島崎委員がおっしゃっていたように、全会一致というわけではなかったけれども、前段階でとった市民の皆さんとの意見交換会の中の広がりの中で、皆さんの思いというのが後押しとなって、制定に向かったんではないかということで、私もこの東村山市は、どちらかというと伊賀市に近いかなという、いろいろな考えの方がいらして、必ずしもすぐに全会一致、また議長だけの強力なリーダーシップでいけるというところではないと思うので、前段階で、市民の皆さんとの意見交換というか、皆さんの声を聞くというのはとても大切なところだろうと考えます。
また、パブリックコメントもすごい数を寄せられているんですね。多分、東村山市で、今、パブリックコメントを議会基本条例についてやったとしても、前段階で市民の皆さんとの懇談会があったということもあるんですが、やはり政治が好きな土地柄なんですということをおっしゃっていましたが、そういう背景もあるのかなというのをすごく感じました。だけれども、東村山市においても、それぞれ私たちの会派として、常に支援者の皆さんのいろいろな情報、議会が終われば報告会とか持ちながらやってきていますけれども、そういった特定の会派に属さない、支持しないという多くの市民の方に対して呼びかけていくということも大切な、議会として情報公開していくということは非常に大事なことだなと、時代がそちらのほうに流れているというのを、この伊賀市に行って痛感をしてきました。これから我が議会で、議会基本条例、また今、いろいろ上っていました議会報告会とか、そういったことを実現していくためには、さまざま、いろいろな課題があると思います。なので、市民の皆さんとの対話を、私たち議員として、そのための努力を全議員が惜しまないということが大事だなと感じました。
○田中富造委員 先ほど我が党としては、清沢委員が感想を述べた内容ですけれども、私も同感なんですが、特に伊賀市の場合には、平成16年でしたか、合併のときに、市長が住民自治を大事にして、自治基本条例を制定していこうという政策を掲げていたということが大きな要素になるのかな。で、その自治基本条例の中に、議会だけじゃなくて、教育委員会とか、監査委員会、これの基本条例もつくるんだということで、かなり市民に開かれた行政、議会、そこを伊賀市としては目指していたということが大きな特徴じゃないかなと思います。
そういう中で、先ほどありましたけれども、正副議長の立候補、議長選出に当たって、所信表明する。これは東村山市議会としてもなかなかの制度だな。ただ数の寄せ集めで選出するだけじゃなくて、こういうふうに議会を改革していきますよということの中で、島田委員からもありましたように、議会基本条例を掲げた候補者が、議長が誕生したというのは大きなことだと思います。後、ずっと経過を見ていきますと、やはり基調は、条例をつくればいいというんじゃなくて、その過程が大事というのかな、市民参加。それから、もちろん全議員参加ですね。一人会派とか、そういうことは分け隔てなく、全議員が参加して、議会基本条例をつくろうということに対しまして、その辺のところはよく学ばなければならないのかなと思いました。
それから、本会議と委員会はもちろんですけれども、代表者会議がすべて公開。それから、協議会も全公開になっている。全公開制が原則だということについては、やはり感心いたしました。感心すること自体がちょっとおかしいのかもしれない。当然でなくてはいけないんだろうけれども、そういうことが大きな問題として感じました。それから、議会報告会とか、政策討論会だとか、出前講座だとか、これも栗山町の議会基本条例を学びながら、さらに発展させてきたんだなと、時間の経過の中で、そんなふうに感じました。
今、委員がここでしゃべっていることが、議会視察報告、どのようにまとめられるのかわからないんですけれども、ここではどの委員がお書きいただいたのか、よくわからないんですけれども、最後のところで、どこまで本気で市民の立場に立った議会改革ができるのか、東村山市議会に問われていることをひしひしと感じる視察であったということなんですけれども、これをもう一歩進めて、我が東村山市議会としては、議会基本条例の制定に向けて一歩踏む出すべきとか、そういう表現が入らないと、これは何か見てきただけだという、そんな感じがしますので、もしここで確認できれば、議会基本条例の制定を目指して、我が市議会としても、これから一歩踏み出すとか、そういうものをぜひ入れるべきじゃないかなと思います。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2008年4月に行った議会運営委員会の行政視察についての報告書はこちら。
参考として昨年視察した北海道栗山町と今回視察した三重県伊賀市の関連ページをリンクしておきます。
*栗山町「議会基本条例の制定」
*栗山町「議会基本条例制定までの経過」
*栗山町「議会基本条例」
*伊賀市「議会基本条例」
*伊賀市「議会報告会実施要綱」
△ PAGE UP


