好きになろうよ!東村山

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    「コミュニティ・ゾーン」って何?

     先日、江戸街道を東大和市方面に向かって歩いていた時のこと。富士見町でこんな道路標識を見つけた。

    ハクセキレイの絵の下に「コミュニティ・ゾーン」と書いてある

    「コミュニティ・ゾーン」って何だろう? 東村山市の鳥であるハクセキレイの絵が描いてあるということは、ハクセキレイの保護区なの? でも周りはどう見ても住宅街なんだよね。
     あと、ちょっと疑問に思ったのは速度標識。住宅街に入って行く道の制限速度ということなんだろうけど、どう見ても狭くて細く、子どもが飛び出しそうな道路だ。30キロはこの道路を走るには速くないか? 20キロ制限にするべきじゃないのかなぁ。

     まあ、そんなこんなで気になったので、家に戻ったら市のホームページで「コミュニティ・ゾーン」を調べてみた。
     もともとの出典は2000年7月に策定された「東村山市都市計画マスタープラン」なんだね。この中の「住宅・住環境形成まちづくりの方針」の2番目に「良好で安全な住環境の創出」という項目があり、さらにその中の3つの項目の1つ「公害のない住宅地づくりを行います」に、次のように書かれている。


    通過交通進入がなく歩行者が安心して歩ける住宅地(=コミュニティゾーン)の形成のため、自動車の進入規制や一方通行化、駐車場の計画的配置などを総合的に進めていきます。


     つまり、「コミュニティ・ゾーン」とは、「通過交通進入がなく歩行者が安心して歩ける住宅地」を意味するようだ。でも、そうであるなら、あの標識はおかしくないか?
     速度標識の下に「コミュニティ・ゾーン」の標識があるワケだけど、速度標識があるってことは、車が通ることが前提であり、車は30キロの速度を超えなければ通っていいってことなんだよね。「通過交通進入がなく」という前提が最初から崩れている。それでどうして「コミュニティ・ゾーン」と言えるのだろうか? しかもハクセキレイの絵が大きくて、ドライバーにしてみれば「コミュニティ・ゾーン」の文字は読めない、というか目がいかないと思うなぁ。標識としての意味をなしてないと思うんだけど……。

     この不思議な「コミュニティ・ゾーン」という標識、誰も疑問に思わないのかなぁ……と思って調べたら、2013年12月の市議会定例会の一般質問で佐藤真和議員が聞いていた。以下がそのやりとりだ。


    ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


    ○佐藤議員 富士見町のコミュニティーゾーンの安全対策ですが、設けられた経緯とその後の状況について、概略を伺います。

    ○都市環境部長 コミュニティーゾーンにつきましては、御案内のとおり、建設省、警視庁により、居住系の地区を中心とした地域を面的に、歩行者優先を第一に、安全性、快適性、利便性の向上を図ることを目的に、道路管理者による道路構造の改良や、交通管理者による交通規制の組み合わせにより通過交通を抑制し、安全で快適な住環境をつくるための総合的な交通対策でございます。
     当市におきましても、平成11年度から13年度に富士見町3丁目から5丁目地区において指定されたところでございます。指定後に行った検証では、地域の住民の方にアンケートを行い、「非常に評価している」「おおむね評価している」が8割程度でございました。その一方で、速度の低下、交通量減少については以前と変わらないといった御意見もいただいております。


    ○佐藤議員 そういう意味で、最近の状況はどうかということで伺います。見に行ってもなかなか目的が達せられているとは思えない状況で、近隣の方は大変怖がっているし、そもそもこの設定がどうだったかという話があったと、私、最近知りましたけれども、ただ、目的を持って設定した以上は、どうなっているのかということで御説明いただきたいと思います。

    ○都市環境部長 最近の状況でございますけれども、一部のドライバーによりスピードの超過が依然として見受けられる状況であります。また、事故の発生につきましては、富士見町3丁目、5丁目地区において、過去3年間において、いずれも軽傷ではありますけれども、追突や出会い頭等の接触事故が8件発生していると警察から伺っております。
     これまでも住民の方々より車両のスピード超過について改善要望をいただいておりますので、東村山警察と連携し、速度規制の強化や路面標示、看板の設置、横断歩道標識設置等の安全対策について検討してまいりたいと考えております。


    ○佐藤議員 対応いただいているところもあるんですよね。横断歩道の前後にマークを入れていただいて、ここが横断歩道だということを示すような標示がされて、数カ月たつと思います。効果が全くないとは言わないんだけれども、根本的な対策になっていないと思っているところです。
     それで、今後どうしていきたいのかということもあるんですけれども、看板はどんなものがついているか、行かないと、行って初めて、これかと。セキレイの小さな看板がコミュニティーゾーンと上についているんですよね。あれがそういうゾーンだと知っている人は多分ほとんど、首を振っていらっしゃる方が多いけれども、多分、議員でもほとんどいないんじゃないかと思うんです。つまり、コミュニティーゾーンというのは何ですかという状態にあそこはなっているんですよね。
     なので、昔、ハンプをつくって苦情が来たりとか、いろいろありました。さっき、ちょっとバイブララインの話を出しましたが、何か道路を絞り込んでバイブララインを引いてみるとか、今やっていただいていることもあるんだけれども、もう少し打てる手がないか。目的、趣旨を変えないのであれば、もう少し対策が打てるのではないかと思いますので、看板の明示も含めて、対策について伺いたいと思います。

    ○都市環境部長 自動車の速度が30キロを超えると、追突の死亡率が急激に上がるというお話もありますので、何らかの対策が必要だと考えてございます。一番対策が必要なのは、ドライバーの方のモラルなんだろうと思います。そのモラルの向上策というのはなかなか難しい話でございますので、例えば、運転者から守る方法を何らか考えていかなければいけないとは考えておりますけれども、現時点では通常行っている標識等の対策しかとれていない。有効な手段がなかなか見出せていないという状況でございますので、速度規制等、東村山警察とも密に連携をとりまして、今後の対策をさらに検討してまいりたいと考えております。

    ○佐藤議員 抜け道になっちゃっているところもあるので、なかなか難しいんだろうと思いますが、ぜひよろしくお願いします。


    ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


     このやり取りを見ると、どうやら「コミュニティ・ゾーン」は国土交通省が提唱しているモノらしい。調べてみると……ありましたよ。

    「コミュニティ・ゾーン形成事業~住む人、歩く人、みんなが安心~」

     見ると、いろんな手法がある。東村山市の場合はバンプを取り入れたようだが(今は撤去しているらしい)、その他に「路側帯のカラー舗装」、車が減速するように「クランク」や「狭さく部分」を設置するなどの方法が挙げられている。
     そして「どのようにしてコミュニティ・ゾーンをつくるのか?」という説明があり、次の3つのステップが挙げられている。


    STEP1 まず、みなさまのご要望をうかがいます。

    STEP2 次に地域のみなさまと行政とで対策を提案します。

    STEP3 そして十分な意見の調整をはかります。



     当たり前の手法だけど、富士見町の「コミュニティ・ゾーン」の場合、この3つのSTEPがあったかどうか、とても疑問だ。行政側が一部の意見だけを聞いて、「ハイハイ、わかりました。こうすればいいでしょ」と、およそ「提案」と言うには程遠い形で「コミュニティ・ゾーン」を設置したのではないだろうか? 住民の意見を十分に聞いていないからこそ、バンプをつくったあと、「通行する車がうるさい」という苦情が相次ぎ、バンプを撤去することになったのだろう。

     国土交通省の「コミュニティ・ゾーン形成事業~住む人、歩く人、みんなが安心~」の最後には「コミュニティ・ゾーン形成事業の流れ」が図で示されている(詳しくはこちら)。
     これによると、「事業実施」のあと、「効果測定」があり、そこで「効果あり」となれば「事業完了」となる。もし「効果測定」の結果、「要改善」となれば、「計画案の策定」に戻ると示されている。東村山市はまず「効果測定」をキチンとやり、「要改善」は明らかなのだから、「計画案の策定」に戻るべきだろう。その際に地区集会などを開いて住民との合意形成が必要なのは言うまでもない。ぜひやって欲しい、というか、やらなきゃダメでしょ。


     最後に1つ。「コミュニティ・ゾーン」は全国で設置されている。そして多くは「コミュニティ・ゾーン」ではなく、何らかの名称・愛称をつけている。東村山市は道の愛称をつけることを総合計画で定めているのだから、この「コミュニティ・ゾーン」の道にも優先的に愛称をつけるといいのではないだろうか? 例えば「ハクセキレイ通り」にすれば、あの標識も活きるというモノだ。でもやっぱりあの標識はよくないな。外すべきだろう。







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    薄井政美

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