パブリックコメントに関してはいろいろと疑問点があるんだけど、その中でも私が一番「おかしいんじゃないの?」と思っているのが、結果公表のやり方。そこで2020年12月26日に「パブリックコメントの結果公表について」と題して「市長へのEメール」で質問してみた。
回答は2021年1月21日に届いたが、回答部署は経営政策部企画政策課と経営政策部資産マネジメント課、地域創生部産業振興課、まちづくり部道路河川課の4部署の連名になっていた。
質問と回答は以下の通り。
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パブリックコメントの結果公表について疑問点がありますのでお伺いします。
1.パブリックコメントの「ご意見の募集結果を公表している案件」のページには、「なお、意見募集終了後1年をめどに削除します」という一文が記されていますが、これはいつ、どのような理由で決めらたのでしょうか?
パブリックコメントは、平成27年3月に定めた内規「パブリックコメントの実施に関する指針の運用について」において、「公表期間は、当該政策等が完成するまで、概ね1年程度を目安とする」と定めて運用しているところでございます。
こちらについては、様々な分野での施策においてパブリックコメントを実施するうえで、ホームページ上で検索が行いやすいように定めたものでございます。
2.結果が意見募集終了後1年をめどに削除されることを、「東村山市パブリックコメントの実施に関する指針」の「第6 意見の取扱い」に明記されていないのはなぜでしょうか?
1での回答のとおり、内規において定めており、そちらに則って運用しております。
3.令和2年7月1日から31日まで行われた「萩山駅横断歩道橋に関する意見募集」の結果が1年も経っていないのに削除されているのはなぜでしょうか?
「萩山駅横断歩道橋に関する意見募集」はパブリックコメントによる実施ではなく、市民アンケートにて実施させて頂きました。集計結果は、市民アンケートのページにて現在も公開しております。
4.私の記憶では平成29年1月25日から平成29年2月13日まで意見募集が行われた「東村山市商業振興基本方針」も、結果公表から1年も経たないうちに削除されました。ほかにも公表から1年も絶たないうちに削除したケースはあるのでしょうか?
内規である「パブリックコメントの実施に関する指針の運用について」において、「公表期間は、当該政策等が完成するまで、概ね1年程度を目安とする。」と定めており、政策等が完成した後の運用については各所管にて判断しております。
5.「東村山市と民間事業者との公民連携によるまちづくりに関する基本方針」は平成30年10月にパブリックコメントが行われ、1年以上経った現在は「ご意見の募集結果を公表している案件」から削除されています。しかし、削除するのは「ご意見の募集結果を公表している案件」というページからだけではないのですか? 「東村山市と民間事業者との公民連携によるまちづくりに関する基本方針」のページを見ると、パブリックコメントを行ったことも、その結果も掲載されていません。なぜなのでしょうか?
パブリックコメントとしてご意見を募集したことは「東村山市と民間事業者との公民連携によるまちづくりに関する基本方針」のページにおいて掲載しております。また、パブリックコメントとしていただいたご意見やその結果の公表期間につきましては、1での回答のとおり、内規において定めており、そちらに則って運用しております。
6.「東村山市商業振興基本方針」のページを見ると、「なお、本方針は平成29年1月25日(水曜)から平成29年2月13日(月曜)までの間行った、パブリックコメントによる意見募集を経て策定されたものです」とは記されていますが、その結果については公表していません。なぜでしょうか?
パブリックコメントの意見募集に対する回答につきましては、平成29年3月31日から平成30年3月31日まで、市ホームページにて公表いたしました。1年を経過したため、公表を終了いたしました。
7.「東村山市と民間事業者との公民連携によるまちづくりに関する基本方針」や「東村山市商業振興基本方針」のようにパブリックコメントの結果を現在は公表していないケースはほかにもあるのでしょうか?
1で回答した通り、内規において運用しており、1年を経過したものあるいは政策等が完成したものについては、各所管の判断において例外的に1年以上公表するケースもございますが、原則として公表いたしておりません。
なお、ご意見がなかった案件については、「パブリックコメント」のホームページの「ご意見の募集を終了した案件」にて、「0件です」という形で公表しております。
8.「東村山市みんなで進めるまちづくり基本条例」の第9条には「市は、市が保有する情報は市民のものであるとの認識に立ち、情報が市民と共有されるよう、多様な方法を用いて市政に関する情報を分かりやすく発信することに努めます」と明記されています。パブリックコメントの結果公表の現状は、この条文に反していませんか?
市といたしましては「東村山市みんなで進めるまちづくり基本条例」に基づき、適切に公表し、市民の皆さまと情報共有を行っているものと考えております。
9.「東村山市みんなで進めるまちづくり基本条例」の第10条には「市は、公文書の適正な管理を行うとともに、適切に情報を開示していくことに努めます」と明記されています。パブリックコメントの結果について、「適切に情報を開示」しているとお考えでしょうか?
市としては、パブリックコメントの結果においては適切に情報開示しているものと考えております。
10.隣接する小平市、東大和市、清瀬市ではパブリックコメントの結果を年度ごとに整理して公表しています。もちろんパブリックコメントを行った計画や方針などのページにも、その結果は掲載されています。東村山市のパブリックコメントもこうあるべきだと思うのですが、いかがお考えでしょうか?
現在、当市では年度ごとのパブリックコメントの結果については、ホームページ上では年度ごとに分類しておりませんが、ご意見をもとに他市の事例を参考にさせていただきながら、今後検討してまいりたいと考えております。
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近隣市を調べればわかるけど、パブリックコメントのページには、これまでどういうパブリックコメントを行ってきたのかを年度別にまとめてあり結果を公表している。もちろんパブリックコメントを行った担当部署のページにもパブリックコメントの結果は公表されている。
一方、東村山市はというと、「東村山市パブリックコメントの実施に関する指針」ではなく単なる内規で、「意見募集終了後1年をめどに削除します」と定め、パブリックコメントのページから結果を削除するぱかりか、担当部署によってはパブリックコメントを行った計画などについてのページからも結果を削除している。
こんな状況にも関わらず、「パブリックコメントの結果においては適切に情報開示しているものと考えております」という。これはかなりおかしいと私は思う。これで市民と情報共有ができていると言い切ってしまう感覚に「怖さ」すら感じる。
このパブリックコメントの結果公表のやり方に限らず、東村山市の情報公開の姿勢はどこかおかしなところがある。市民の「知る権利」に関わることなのだから、議会および市議会議員の皆さんにもぜひ関心を持って欲しいと思う。